201503.02
突然ですが、皆様は、競売マンションの入札価額算出に当たってはどのような項目を考慮・検討することが重要だと思われますか?
エリア、間取り、築年数、駅距離、占有者の有無等、競売マンションの落札価額に影響を与えそうな項目はいろいろと思い浮かびますが、その中でも今回は特に『間取り』に着目してその落札価額への影響度について少し考えてみたいと思います。
具体的なサンプルとしては、当社保有の競売マンションドットコムデータベースの中から下記のような東京地裁本庁の過去半年分の開札データをピックアップしてみました。
<サンプルデータ(当社調べ)>
東京地裁本庁 開札日 平成26年8月7日~平成27年2月5日分
競売マンション(ケ)物件限定
☆1K/1DK/1LDKの場合
平均乖離比 1.70倍
平均売却基準価額1078万7545円
平均落札価額 1832万7095円
物件数 120件
売却件数 110件
取下げ等 10件
売却率 91.7%
個人落札率 7.3%
平均入札者数 17.1人
☆3K/3DK/3LDKの場合
平均乖離比 1.51 倍
平均売却基準価額1643万7532円
平均落札価額 2482万3245 円
物件数 102 件
売却件数 77 件
取下げ等 25 件
売却率 75.5%
個人落札率 7.8%
平均入札者数 18.9人
※平均乖離比は、売却された個々の競売マンションの乖離比の和を
その物件数で除した数値です。
(乖離比=落札価額/売却基準価額)
まず、最初に注目したいのは、平均乖離比です。3K/3DK/3LDKが1.51 倍なのに対して、1K/1DK/1LDKの場合だと1.70倍で、1K/1DK/1LDKの物件の方が平均的に売却基準価額からより高い乖離比で落札されていることが分かります。間取りの乖離比に対する影響度は、かなり強いといえます。
個人落札率は、両方とも7%台に留まっており大きな差異はないようです。
平均入札者数も、1K/1DK/1LDKが17.1人、3K/3DK/3LDKが18.9人なので、このサンプルデータ上においては間取りの違いが極端に入札競争率に影響を及ぼしているといったことはなさそうです。
売却率は、1K/1DK/1LDKが91.7%なのに対して、3K/3DK/3LDK は75.5%とかなり開きがあります。やはり、間取りの広いファミリー物件の方が開札日ギリギリまで任売に流れやすい傾向が伺えます。逆に、平均落札価額が2000万円に満たない1K/1DK/1LDKの物件だと取下げ等のリスクは10件のうち1件程度なので、投資対象としては安心して入札しやすいと言えるのではないでしょうか。
物件数については、1K/1DK/1LDKが120件なのに対して3K/3DK/3LDKは102件とやや少なめです。23区内だと間取りが狭い物件の方がより多く競売に出る傾向にあることが分かります。
以上、簡単ではありますが、『間取り』という切り口で東京地裁本庁の競売マンションの直近半年分の落札傾向を分析してみましたがいかがでしたでしょうか。少しでも皆様の入札に当たってのご参考になればと思います。
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