201510.26
久しぶりのデータ分析系ネタのコラムです。
前回は間取りに着目してみましたが、今回はズバリ、バス便の有無に着目してみたいと思います。
まずはバス便の定義です。
本コラムでバス便がある物件とは、
https://keibai-mansion.com/detail/53/
https://keibai-mansion.com/detail/221/
のように、物件情報の『評価書上の交通』の項目内に『バス』の文字記載がある物件のことを指します。つまり、イメージとしては、最寄り駅までバス通勤が必要なくらい駅距離がある物件くらいに思っていただければと思います。
今回このようなバス便物件だけを競売マンションドットコムのデータベースから機械的に抽出して、バス便の有無が落札結果にどのような影響を及ぼしているのか分析してみました(ちなみに宣伝となりますが、競売マンションドットコムPROの乖離比集計機能をお使いいただくことでこれとまったく同じデータを再現できたりその他様々な条件設定での過去データ抽出ができたりします)。
具体的なサンプルとしては、横浜地裁本庁の下記1年分の開札データをピックアップしてみました。
<サンプルデータ(当社調べ)>
横浜地裁本庁 閲覧開始日 平成26年7月10日~平成27年6月25日分
※競売マンション(ケ)物件限定
※乖離比3.0以上の異常値サンプルを除外
☆バス便ありの場合
平均乖離比 1.53倍
平均売却基準価額944万6687円
平均落札価額 1443万9689円
物件数 155件
売却件数 134件
取下げ等 21件
売却率 86.5%
個人落札率 7.5%
平均入札者数 11.0人
☆バス便なしの場合
平均乖離比 1.75倍
平均売却基準価額1029万3110円
平均落札価額 1752万1192円
物件数 234 件
売却件数 191件
取下げ等 43 件
売却率 81.6%
個人落札率 13.1%
平均入札者数 16.3人
※平均乖離比は、売却された個々の競売マンションの乖離比の和を
その物件数で除した数値です。
(乖離比=落札価額/売却基準価額)
さて、ざっと見比べてみていかがでしょうか。
最初に目が行くのはやはり平均乖離比です。バス便ありの方が1.53倍なのに対してバス便なしは1.75倍とかなり開きがあります。最寄り駅までバス通勤強いられる物件とバスが必要ない徒歩可能物件とでは、落札競争率に大きく違いがあることが数字上からも読み取れます。
物件数は、バス便ありが155件に対してバス便なしが234件です。横浜地裁本庁管轄下はJR私鉄とも交通網が発達しているので納得といえば納得の数字です。
売却率は、バス便ありが86.5%なのに対してバス便なしが81.6%なので、このサンプルデータにおいては僅かながらバス便ありの方が取下げ等リスクは少ない感じでしょうか。
個人落札率への影響度は顕著ですね。バス便ありが7.5%に対してバス便なしが13.1%なので、個人の方が自住用ないしは投資用で入札物件を探す場合にはバス便なし物件を選ぶ傾向がとても強いことが分かります。競売に参加する個人投資家には投資経験が豊富な方が多かったりするので、一般的に賃貸で空室リスクが高くなりがちな駅距離がある物件は皆さん敬遠しがちなのかもしれません。
最後に物件人気度が一番ダイレクトに推し量れる平均入札者数。バス便ありが11.0件に対してバス便なしが16.3件なので、バス便なしの方が人気度は明らかに高めです。こちらも至極妥当な結果なのではないでしょうか。
以上、総じてバス便なし物件の方が人気も落札競争率も高い傾向にあることを裏付ける数字が並んだ感がありますが、マンションの立地や駅距離は誰もが購入に当たって一番に気にする点であることを考慮すると、今回はある意味予想通りの結果とも言えそうですね。
管轄裁判所と
事件番号を入力して下さい。
はい、マンション管理組合から請求を受ければ買受人が負担することになります。
区分所有法第8条により、管理費...
与えません。
なお、裁判例として、時効消滅した管理費等を売却基準価額に含めなかった原決定に対して執行抗告を...