201410.20
2014年度の税制改正大綱には、既存の住宅優遇税制延長のほか、中古住宅流通・リフォーム市場の拡大・活性化のための新たな住宅優遇税制が盛り込まれました。これを受けて中古住宅市場は空前の活況を呈しています。
そこで今回は、中古住宅市場の現状や今後の市場規模の展望など「投資対象としての中古マンション」の魅力についてご説明しましょう。
国土交通省は、平成22年6月18日に決定された新成長戦略において「中古住宅・リフォーム市場の倍増」を打ち出し、具体的な施策方針として平成24年3月に「中古住宅・リフォームトータルプラン」としてまとめました。
これによると、国は「我が国の中古住宅流通・リフォーム市場の環境整備を進め、国民の住生活の向上を目指すとともに、市場規模の拡大を通じた経済の活性化に資するため」に、中古住宅の売買とリフォーム住宅工事などを合計した市場規模を2020年までに現在の2倍の20兆円に引き上げることを目標としています。
こうした高い目標を達成するために設けられた新たな住宅優遇税制として、リフォーム住宅やリノベーション物件に対する優遇措置が挙げられます。リノベーション物件を購入した場合、所有権移転登記の税率軽減が2016年3月31日までの期限付きで創設されました。
また、中古住宅を購入した際の優遇措置として「住宅ローン減税」「住宅取得資金の贈与税の非課税措置」「登録免許税の軽減税率」「不動産取得税の課税標準の特例措置」などの優遇税制も中古住宅市場の追い風になっています。
東日本不動産流通機構によれば、2013年の首都圏の中古マンション売買成約件数は、前年比5,035件増の36,432件と、2年連続で過去最高を更新しています。これは、2003~2012年までの10年間の伸びを越える増加数です。あまりの急成長ぶりに反動が出るかもしれないという心配もありましたが、アットホーム株式会社が発表した2014年8月期の新築戸建・中古マンションの登録価格および成約価格についての市場動向調査によると、中古マンションの1戸あたり平均成約価格は2,446万円で、前年同月比11.6%上昇し、8か月連続のプラスとなっています。なお、東京23区の中古マンションの平均価格は08年9月(3,048万円)以来5年11か月ぶりに3,000万円を超えています。
また、野村不動産アーバンネット実勢調査によれば、2014年4-7月期の中古マンション価格は首都圏エリア平均で0.3%増加し、年間ベースでは0.9%の増加。東京都区部、東京都下、神奈川エリアがプラスとなっています。首都圏の中古マンション価格の変動率は5四半期連続でプラスとなっており、昨年以来の堅調を維持しています。
日本の住宅ストック(売却・賃貸される中古住宅数)は平成20年時点で約5,760万戸と非常に潤沢です。しかし、それに対して、全住宅流通量(既存住宅流通量と新築着工数の合計)に占める中古住宅の流通シェアは13.5%と低水準で、アメリカ(77.6%)、イギリス(88.8%)、フランス(66.4%)など、ほかの先進国に比べて大きく見劣りします。
国は消費者のニーズに則した魅力的なリフォームを促進し、住宅投資の活性化による内需拡大を目指していることから、今後、中古住宅の流通シェアはますます拡大していくことが見込まれます。
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