201408.28
競売マンション情報が公告されたら、買受希望者は目的マンションの調査を行い、買受け(入札)に参加するかどうかの判断をします。この時の判断材料として非常に重要なのが、「物件明細書」「現況調査報告書」「評価書」という3種類の資料です。これらの資料はすべての不動産競売において必ず公開されますから、一般に「3点セット」と呼ばれています。3点セットは裁判所の競売物件閲覧室およびBITシステム(インターネット上で資料を閲覧できるサービス)で、原則として誰でも自由に閲覧することができます。
物件明細書とは、買受人が引き受けることとなる権利関係など、目的不動産に関する情報を裁判所書記官が記載したものです。現況調査報告書や評価書、債権者から提出された資料などに基づいて作成されます。3点セットのうち、もっとも重要な書類といえるかもしれません。
各欄に短いコメントが書いてありますが、これは裁判所による所見です。中には注意を促しているものもあり、短いからといって見過ごさないようにしてください。ただし、物件明細書はあくまで調査書であるため、絶対的なものではありません。まれに、記載されている内容が間違っていることもあるので注意しましょう。
現況調査報告書とは、裁判所の執行官が現地調査を行い、物件の現状についてまとめた報告書です。書類には敷地のデータや、公簿との相違点、不動産を占有している者の氏名および占有状況などが詳細に記述されています。裁判所が売却条件の確定等を行うために作られる資料なのですが、買受のための判断材料としての価値が大きく、写しを一般にも公開しています。
競売に参加する際、非常に役立つ資料なのですが、現況調査報告書はその内容を保証するものではありません。報告書を読むだけではなく、必ず現地へ赴いて自分の目で状況を確認するようにしましょう。住まいの環境は時々刻々と変わるため、報告書が作られた時点では正しかったことが、現在は間違っていることもあります。自分で赴くのが難しい場合は、サポート業者に依頼するなどして、常に新しい情報を得るようにしてください。ただし、物件室内の内覧はプライバシー保護などの観点から基本的には難しいと理解しておいた方がいいでしょう。
評価書とは評価人(評価人名簿に登録された不動産鑑定士)が作成した書類です。評価書には物件の築年数や状態・権利関係、物件が所在する環境や、物件の詳細内容など、物件の適正価格を評価した根拠が記載されています。不動産および近隣の図面が載っているため、物件の概要を知るのに便利です。
買受希望者はこれらの資料を参考に競売物件の詳細を把握して、応札するかどうかを判断します。ただし、3点セットは重要な資料ではあるものの、内容が保証されているわけではありません。目的不動産に、3点セットに記載されていない瑕疵があったからといって、後から裁判所に損害賠償請求などは行えません。
3点セットはあくまでも参考資料とし、自らの調査によって裏付けを取り、自己責任で応札の判断を下す必要があります。
管轄裁判所と
事件番号を入力して下さい。
はい、マンション管理組合から請求を受ければ買受人が負担することになります。
区分所有法第8条により、管理費...