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201506.09
中古マンションを購入するにあたり「これから先、何年くらい住めるのだろう?」「不動産としての資産価値は後何年くらい保てるのだろう?」という点は誰しも気がかりでしょう。築年数がかなり経過しているマンションでは不安に感じることもあるかもしれません。でも、実は中古マンションの寿命は年々伸びているのです。
我が国で最初の民間分譲マンションは、1956(昭和31)年に建てられた「四谷コーポラス」だといわれています。四谷コーポラスは今(2015年2月現在)でも現役の分譲賃貸マンションとして高い人気を誇っています。さすがにそこここにレトロ感が漂っていますが、しっかりとメンテナンスされているようで外観・内装ともに築60年近く経過している建物とは思えません。
日本では1962年に「建物の区分所有等に関する法律」(通称マンション法)が制定され、これを受けて1963~64年にかけて「第1次マンションブーム」が発生しました。また、1968~69年にかけては大衆向けマンションの建築ラッシュがあり、この時期は「第2次マンションブーム」といわれています。
つまり、日本のマンションの歴史は実質50年程度。そして、マンションの寿命がいったい何年くらいなのかということは実はよくわかっていません。しかし、少なくとも良心的に設計・建築されたマンションで、適正な補修やメンテナンスが行われていれば50年以上の寿命が保てることは、四谷コーポラスをはじめ多くのマンションが現在も現役であることで証明されています。
日本で最も早くマンションの供給が進んだ東京都では、2000年頃に老朽化マンション対策が大きな問題となりました。このとき問題視されたのは、築30年前後のマンションです。このため「マンションの寿命は30年」という誤った認識が世間に広まりました。
これは、旧耐震基準で建てられたマンションのうち、耐震補強工事もせず計画的な補修工事も行われず、なおかつ定期的な保守点検すら不十分だったマンションの話です。
現在の分譲マンションは長期修繕計画が立てられ、マンションの経年劣化に対して適切な修繕が行われていますが、昔はこうした長期修繕計画のないまま運営されていたマンションが多かったのです。また高度成長期に建設されたマンションのコンクリートには塩分を含む海砂が使われたものがあり、塩分が鉄筋を侵食したりしてマンションの老朽化を早めました。これが築30年寿命説の原因です。
旧耐震基準で建てられたマンションでも、耐震補強工事や計画的な補修工事、そして日常的なメンテナンスが適切に行われていれば30年程度で寿命を迎えるとはちょっと考えられません。
早稲田大学理工学術院の小松幸夫教授らによる推計では、RCづくりのマンションの寿命は1998年時点で43年、2005年時点で46年、2011年時点では60年となっています。
また国土交通省による「RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例」では、鉄筋コンクリート造りの建物の物理的寿命は100年を超えています。
これは1981年に施行された新耐震基準に準拠した中古マンションが増えていること、建築技術や建材の材質が年々向上していることなどが理由として挙げられます。
最新の鉄筋コンクリート建築物では躯体部分(スケルトン)の耐久性は200年以上のものも多く、中には「500年コンクリート」をうたうゼネコンもあります。こうした建築物では、内装や設備が老朽化したらリノベーションやリフォームで刷新することで、建物自体は数百年にわたり問題なく利用することが可能となっています。
こうした時代の変化を受け、中古マンション市場でも築30年を超える物件の売買が盛んになっています。築30年以上のマンションだから市場価値がないなどということはありません。
ただし、先にも述べたように中古マンションは設計・施行、適切な耐震補強工事、計画的な補修工事、日常的なメンテナンスが適切に行われているかどうかで寿命が大きく違ってきます。築年の古い中古マンションを購入する際は、どのような補強・補修工事が行われてきたのかという記録や現在の管理状況などをしっかりチェックして物件を選ぶ必要があるでしょう。
管轄裁判所と
事件番号を入力して下さい。
与えません。
なお、裁判例として、時効消滅した管理費等を売却基準価額に含めなかった原決定に対して執行抗告を...