201512.21
金利の変動などによって今借りている住宅ローンが割高になったと感じたら、ほかの金融機関に乗り換える(借り換える)ことも検討してみましょう。近年は空前の低金利が続いていること、金融機関の業態が多様化して競争が激化していることなどから、住宅ローンについても、従来のものより条件のよい商品が増えました。ここでは住宅ローンの乗換えのメリットや注意点などについてご紹介します。
今借りている住宅ローンよりも金利の安いものに乗換えた場合、支払総利息が減ることで月々の返済負担を軽くすることができます。また、他行からの乗換えを奨励したい金融機関の場合、金利以外にもさまざまな優遇措置や特約を設けている場合もあります。
とはいえ、安易に乗換えを行えばよいというものではありません。金融機関ごとの強み・弱み、そして各ローン商品の特徴には大きな違いがあります。それらのメリット・デメリット、リスクなどを細かくチェックして比較し、自分にとって最もメリットが大きくリスクが低いと思われるものへ乗り換えることが重要です。
なお、住宅ローンの乗換えに対しては「従来の返済期間を問わず、ローン残額に対して新たに長期の返済期間を設定する(月々の返済負担が軽減される)」、「固定金利型と変動金利型を組み合わせたミックスローンが利用できる」「失業保障特約がついている」「繰り上げ返済がしやすい(手数料無料・返済下限額なしなど)」など、金融機関ごとに性格の異なるメリットが用意されています。
住宅ローンを乗り換える際は、新しく取引する金融機関からお金を借りて、今までローンを返済していた金融機関に残金を一括返済する必要がなります。また不動産に設定されている抵当権を抹消するなど登記上の手続きにも費用が発生します。新しく取引する金融機関に対しても一定の手数料を支払わなくてはなりません。こうした手数料や手間をかけて乗り換えをする以上、ある程度以上のメリットは享受したいものです。
なお、乗り換えの際、新しい金融機関から審査が行われることも覚えておきましょう。職業や収入、賞罰などに大きな変化がなく、今まで月々の返済をきちんと行ってきた人の場合は特に心配する必要はありませんが、審査基準は金融機関によって異なります。確実に乗換えが保証されているというわけではありません。またローン返済の滞納履歴などがあると、審査は厳しいものになると思われます。
住宅ローンの乗換えを検討するとき、もっとも注目されるポイントが金利です。「金利が高かった時期に契約してしまった固定金利型ローン」などの場合、借換えによって支払利息をかなり少なくできる可能性があります。ただし、ローン残額が少ない場合や完済が近づいている場合などは、乗換えによる恩恵はそれほど期待できません。逆にいえば、まだ返済を始めて日が浅い人であればあるほど、わずかな金利の差でも、乗換えによって大きな恩恵を受けられるということになります。
昨今は空前の低金利時代で、日銀の動向をみてもすぐに大幅な金利上昇が始まる気配はありません。しかし日本経済が本格的に成長を始めれば、いずれ金利上昇局面を迎えます。金利が大きく変動した時・しそうな時はぜひ住宅ローンを見直しましょう。
金利が将来どうなるかといった長期予想は経済の専門家にとっても非常に判断が難しいものです。乗換えに際してはコストメリットだけを考えるのではなく、将来金利がどう変動しても対応できる(無理なく返済が続けられる)範囲の条件でローンを選ぶことで返済リスクをヘッジしましょう。適切なリスクヘッジは、金利差以上のメリットをあなたにもたらします。
最後に、自分のライフステージが大きく変化するときにも乗換えを検討してみるべきかもしれません。
たとえばお子様の就職・独立など、家族構成や収入・支出状況が大きく変化するような際には「今までよりも家計にゆとりが増えたから、繰り上げ返済しやすいローンに乗換えよう」など、「自分にとってのメリットが最大になる」ローンがどのようなものか検討してみてはいかがでしょうか。
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