201703.15
マンションを購入した場合には、住宅ローン返済以外に「管理費」や「修繕積立金」を支払わなければなりません。「管理費」というと、その言葉から、マンションを維持管理するために必要という認識の方が多いでしょう。
一方、「修繕積立金」とは何なのでしょう。
管理費との違いも併せて、解説していきます。
管理費も修繕積立金も、マンションに住む住人が管理組合に負担すべき費用ですが、使う目的が違うものなのです。
◎管理費
建物の資産価値を維持するために、日常的な管理を行うために使用されます。共用部分の清掃や点検等を行うために管理会社に委託する費用や火災保険費用、管理組合の運営に関わる費用などが含まれます。
◎修繕積立金
毎月、管理組合によって徴収されるものの、こちらは「将来」のために積立される費用です。今現在使うというものではなく、経年劣化による補修に備えてのものなのです。
通常、マンションには建築時に大規模修繕工事の計画があります。約12~15年目と約24~30年目あたりに、外壁を補修したり、屋上の防水工事を施したり、そのた共用部分の設備を補強するなどの工事を行います。これらは建物の老朽化を防ぐとともに資産としての価値を守るには重要なものです。
大規模修繕工事は工事の規模が大きいため、一度にかなりの額が費用として必要になりますが、その都度多額の費用を支払うことは住民の皆さんも困難です。そのため、毎月の徴収で積み立てておくのです。
マンション購入時には、毎月の支払として「住宅ローン+管理費+修繕積立金」をシュミレーションしなければなりません。これらの合計の負担が大きいと、購入をためらってしまうものですよね。
しかし、販売会社としてはマンションが売れなければ困る訳です。そのため、管理費と修繕積立金の部分を安く設定したいと考えるのですが、管理費は今現在のマンションの管理にかかる費用なので削るわけにはいきません。
しかし修繕積立金は、大規模修繕工事を行うまでに費用が積立できればいいため、この部分を初期設定として安くしておくのです。段階的に修繕積立金の額をアップさせていけば最終的に帳尻があうので、新築時には販売目的のために安いということがよくあることです。
毎月の支払として「修繕積立金」を払ってはいるものの、この積立金だけでは工事に係る費用が不足すると判断されると、数年ごとに一時金として「修繕積立一時金」が徴収されることもあります。
特に中古マンションを購入した後に支払わなければならないこともあるので、物件を選ぶ時に過去の修繕履歴をチェックしておくことも重要です。大規模修繕工事を間近に控えている場合には、修繕金の資金不足により購入した途端に一時金を徴収されるケースもあるのです。
購入前に修繕積立金の残高や長期修繕計画の内容などを確認することをお勧めします。
積立金という名前がついていることから貯金のようなイメージもあり「売却する際には返してもらえるのでは?」と考えてしまう人もいるかもしれません。しかし、この「積立金」というものはマンション管理組合の財産になります。マンション売却時には、組合から脱退したものに返却してしまうと、その分資金不足に陥ってしまい、管理組合の運営自体が困難になってしまいます。
そのため、売却をするからと言って積立金が戻されることはないのが現状です。
また中古マンションを購入する際に気をつけたいことは、売主が修繕積立金を滞納していないかということです。実は売主に滞納があった管理費や修繕積立金は、買主が引き継ぎ支払いをしなければならないと、マンションの区分所有法で定められているのです。購入後に売主に滞納があったと発覚すると買主的には大変ショッキングなことですよね。
ただし、一般的には万が一滞納があった場合には、仲介不動産業者は買主に対して売買契約の際に説明する義務があるとされています。そのため不動産業者は「滞納がないか」を管理組合に事前に確認してくれるものです。
管轄裁判所と
事件番号を入力して下さい。